5月3日
2007-05-04


 しかもだ。笑えることに、法科大学院は大っぴらに就職活動支援をしてない。大学の「就職課」にあたる部門は、おそらくどこにも存在してないのだ。何で?カラクリはこうだ。大学生の場合、普通就職活動は在学中に行う。つまり学生の活動だから大学として支援しても問題はない。それに対し、法科大学院生は卒業してから新司法試験を受け、司法修習(落第付き研修のこと)受けた後に就職活動開始…となる。つまり、あくまで「卒業生」扱いであり、その支援には色々と問題があるんだな。実際は色々と動いているんだけど、しょせん陰からの支援、限界は思いっきり低い。
 希望があるとするなら、企業絡みかなあ。コンプライアンスがどーた、情報公開がこーだといったことが問われてきているので、「法務部門強化するか」って方向に行きそうだからね。ただまあ、これも「将来」の話になるかねえ。今現在での話を考えたら、法務部門に「しか」使えなそうな司法修習生より、色々使い回しが効きそうな「法学部を良い成績で卒業しました」って奴を採用して法務部門に入れた方が便利そうな気がするし。
 なおこの就職難、ここ数年間は「悪化し続ける」ことが確定している。新司法試験合格者は徐々に増えてゆく予定だからねえ。遠い将来はうまく回るんじゃないかと予想されているけど、それがいつになるかは…真面目な話、「営業やってます」「とりあえず事務に回されました」って司法修習生が誕生するかも。それどころか、「とりあえずの食い扶持確保のため、派遣やってます」って奴が出てくるかもしれない(笑)。
ちなみに、私にとっては最後の例は笑い事ではない。今現在、私は法科大学院で事務の仕事をしている。私の部署はちょっと特殊なところで、「なんか院生みたいな」仕事が多い。法律に関する知識は、あるに越したことはない。ま、「なんちゃって法学部出身」でも務まる程度ではあるけど。
 そうやって考えてゆくと、「諸般の事情により、司法修習生なのに派遣になっちゃいました」って馬鹿が登場した場合、今の私の地位はそれなりに魅力的でしょ。とりあえず法律知識は無駄にならない。休み時間などに法律雑誌(私の部署に常備してある)を読んでも文句は言われない。先生方(実務講師含む)との接点も多い。イソ弁になったら事務仕事の一部を押しつけられるのは確実だろうから、「無駄な経歴」になならないんじゃないかなあ。少なくとも「将来法務部に回してやる」って口約束を信じて一般企業で営業や事務やるのとどっちがマシか、真剣に考慮する価値はあると思うな。
 そんな奴が登場した場合、私の職がピンチである…つーより、誰かそんな奴出現してくれ。いつでも代わってやるからさあ。喜んで。何で単なる派遣である私が、あんなことやこんなことをやらねばならんのだ!色んな意味で私に取って代わるのは大変だと思うけど、司法修習生なら文句は出ない…んじゃないかな。いやあ、これで私は「いつ辞めても大丈夫」ってことだな。良かった良かった。GW明けからバックれちまうか(おい)。

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