5月1日
2007-05-02


 それでは、「萌え系」マンガはそこをどう処理してるのか?手法その1・基本は男っぽく描く。主人公の性別が男になっても、話自体は破綻しないような話を描くのだ。ギャグ系の作品に多い手法がコレ。野郎がやると「あっそ」で終わるような行動でも、女の子がやればウケるのは事実だし。また、ライトなスポーツ系マンガもこの手法が使える。男がスポーツの世界で「上を目指す」となると、「選ばれた者が死ぬほど鍛えまくってどうこう」って世界を描くことになる。けど、「高校時代運動系の部活でした」って奴の大半はもうちょっとヌルく活動してたはず。その辺を男で描くと面白味がないので、女の子で描く。女の子なら、「恋愛がどーした、オシャレがこーした、友人があーした」ってな理屈(実は男でも気にしてる)によって部活熱心にやらなくても、「そんなものだ」で許されるからね。
 手法その2・「メガネ君」を使う。メガネ君ってのは「主人公の脇にいる、読者の象徴」みたいな存在のこと。詳しくは名作「サルまん」(何だかわからなければ検索しなさい)参照。スポ根マンガなどの場合、主人公は「とてつもなく天才で、とてつもなく努力をする」存在である。こういう存在だけを描いていたんじゃ、読者(多分凡人)がついて行けない。そこで脇からの傍観者を用意して、時々コッチに感情移入させる。時に解説担当させたりと、色々便利な存在だ。こいつを応用する。立場としては親兄弟や先生、ライトな関係のボーイフレンドなんかが多い。脇役ではなく、主役がこの立ち位置って場合も多い。
 手法その3は「恋愛関係を描く」である。これを使えば、「(主人公が)何考えてるのか、さっぱりわからん」ってことが正当化される。通常の人間関係だと「わからん奴と付き合う必要はない」となるけど、恋愛関係はそう言ってられない(それが当たり前)からね。これはこれで描き方が大変ではある(女性視線で恋愛描き、それを野郎に読ますのはそれなりに大変)けど、「男が読んでも楽しめる少女マンガ」描けるのなら成立することになる。
 他にも色んな手法があることはあるんだけど、代表的なのはこんなものか。つまるところ、萌え系マンガには少女マンガにはない「工夫」がある。それをどう捉えるかがジャンルとしての評価になるのかなあ。「余計である」と言い切るのは簡単ではあるんだけど、こういった工夫抜きでは作品を描けないって問題もあるからねえ。屈折したジャンルだと思うけど、元々対象読者からして屈折しまくってる連中に決まっているから、これでいいのでは。
 なお、「萌え系マンガで描かれている女の子」にどの程度リアリティがあるのかは、よくわからん。私の経験その他からそんなものが語れるとでも?一度女性が読んだ感想なるものを聞いてみたいものである。ま、私の友人知人構成では、「見果てぬ夢」じゃないかと思うけど(笑)。

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[紫(ヲタクな話題)]

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