9月22日
2009-09-23


 ついでに言えば、「あれだけ大きなロケットなら、有人打ち上げも…」という声が出ているのは、どうかと思う。確かにあの大きさのロケットなら、有人打ち上げも可能だと思われる。そーゆー夢を持つのが悪いとは言わない。けど、本当に有人打ち上げをやるつもりなら、より慎重にならないと「危ない」気がする。失敗の度合いによっては、「こんな杜撰なシロモノに人間詰め込んだのか!」ってんで評判落とすことになる。少なくとも私は「日本の有人打ち上げ計画」なるものは聞いたことがない。H−2B打ち上げが成功したから…なんて泥縄式の計画を立てるのはどうかと思うぞ。冒険が許された「宇宙開発黎明期」と一緒にしてもらっちゃ困る。
 なお…「H−2Bによる有人打ち上げ」は、チャレンジする価値があるとは思う。思うけど、「今度はより慎重にやってくれるのなら」って条件付きかな。ロシアが未だにソユーズなどという「骨董品」使っているのは何故だと思っているのやら。なんか誤解している奴が多いけど、技術面では「アレを超える」ロケットをロシアは開発済みである。単に「それに置き換えて得られるモノ」より、「使い慣れたモノを使い続けて得られるモノ」がデカいと判断しているので、未だに使い続けているだけだ。ドコをどう考えたって「宇宙開発技術の総合力では、世界第2位」のロシアにしてコレなのだ。H−2シリーズ全体として考えてすら、「まだ不安を払拭したとは言い難い」って事実を忘れちゃいけませんね。
 H−2B打ち上げ成功は、大いなる技術的飛躍だと思う。これ自体は悪いコトではない。けど、宇宙開発において重要なのは、実は「大いなる技術的飛躍」よりも「段階的な積み重ね」ではないかと。理由は知らないけれど、今回日本は「やった方が良い試験打ち上げ」をすっ飛ばし、技術的飛躍に手を出した。成功したおかげでうやむやにされているけれど、これは疑問だと思うな。ついでに言えば、成功したからって浮かれ気味のマスコミも。
 H−2B打ち上げには成功し、韓国のロケット(KLSV)は失敗。これにより、しばらくは「衛星打ち上げビジネス」は安泰だと思われる。ただ…韓国の失敗は「産みの苦しみ」として納得できる範囲であり、日本の成功は「不必要と思われるバクチ」の産物だって気がすることも確か。これが長い目で見てどうなるのか、予断は許さないって気がするな。
 しかしだねえ。北も「こーゆー建設的批判」込めて日本に忠告するのならともかく、「軍事利用の道を切り開いた」などと批判するのは…言いたいコトはわかるけど、ヒガミ根性がミエミエだな。大人しく黙っていればいいものを、言わずにいられないってトコロがアノ国らしい。もっとも、打ち上げに浮かれている人間にとっては、私も北も「似たような存在」なんだろうな(苦笑)。

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