3月14日
2009-03-15


 昨日、サンセット版「武田騎馬軍団」ルールブックver.0.9なるものが送信されてきた。もちろん、カミつくところを見つけて返信。エポック版のルールブックに比べるとだいぶ整理されてわかりやすくなっていたけど、まだ完成には遠い。疑問点をドカスカ送ってしまいましたとさ。
 ウォーゲームのルールブックを書くのは、実に大変な作業である。おそらく、一般のゲーマーが思っているより、ずっと。よって、本日のお題は「ルールブックを書く」とする。専門的な話なので、この色の話題について行けない人はご注意を。
 今現在、日本では少なくとも年間10個の「ウォーゲームのルールブック」が作成されている。ゲーム付き雑誌が2つあって、それぞれ隔月と季刊だからね。それゆえ、「ルールブックを書くのは大変そうだけど、慣れれば何とかなるのでは?」と思っているゲーマーは少なくないような。まあ、それは大きな間違いじゃないんだけど。
 正直言って、エラッタの山を覚悟すれば、ルールブックを書くのは難しくない。「移動」「戦闘」といった項目ごとにある程度のフォーマットを用意し、それらを上手く組み合わせてやればいいんだから。フォーマットの部分は、過去の作品を参考にすればいい。とりあえずは今世紀に出たゲームを参考にすれば、「フォーマット部分からして滅茶苦茶」ってな事態は避けられそうだし。
 ただ…わかると思うけど、ウォーゲームのルールってのは複雑である。一部分をちょろっと変えただけで、ルールブック全体を「変更前のルールが残ってないか」探し回る必要があるんだよ。いざとなれば口頭で説明すればいい「テストプレイヤー用ルールブック」と、「製品版ルールブック」をイコールで結ぶことはできない。
 しかもだ。製品版ルールブックを作成する際には、厄介な問題が立ちふさがる。「ルールブック書く奴はそのゲームをよくわかっているけど、読む奴はそうじゃない」というギャップである。これは生じるのが当然ではあるんだけど、どれぐらい厄介なのかは誤解されていると思うな。
 ルールブックというのは、要は「あるゲームのルールを、文字や図を使って相手に伝える」ものである。要は、コミュニケーションの1つでもあるわけだ。そうである以上、受け手と送り手の間にある「ギャップ」が問題になりやすい。送り手が「当然のように知っている」ことを受け手が知らなかった場合、会話がかみ合わないでしょ。このことは、このブログを読んで「うわ、今日の話はワケわかんねー」と感じている、愛読者の皆様にはよくわかると思うんだけど(苦笑)。
 大抵の場合、ルールブック書く奴はそのゲームを熟知している。そのため、自然と「このゲームのことをわかっている奴」にしかわからないコトを、常識として処理してしまうのだ。それを「このゲームのことよくわからない奴」が読むとどうなるか?質問が山ほど飛んでエラッタが出まくるわけだ。
 先日聞いた話によると、その典型例がレックカンパニーのゲーム、すなわち「エポックのゲーム」だそうな。テストプレイを徹底的にやるのはいいんだけど、そのおかげでみんな「そのゲームに習熟」してしまい、結果としてルールブックが「そのゲームをよく知らない奴には意味不明」なものになってしまう傾向があったんだとか。

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[赤(ボードゲームの話題)]

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