10月19日
2007-10-20


 「メイドが若いネーチャン」ってのは、実を言えば「女は家庭にいるモノ」って時代の概念である。家には奥様を筆頭に執事・庭師・運転手…って人間が山ほどいて監視してるから、まあ普通は浮気相手にならない(あくまでタテマエ。「お手つき」はたまにあったらしい)し、そもそもメイドってのは「使用人人生」のふりだしだからだ。男性使用人の場合、単なる使い走りに始まって執事か従者に終わる…って人生設計があるわけだけど、女性の場合はメイドに始まり、位が上がる前に結婚でドロップアウトするのが一般的だって話。家事が一部機械化され、「結婚していても働くことができる」って世の中では、むしろオバチャンを雇う方が「自然な流れ」ではないかと。
 こんな香港でメイド喫茶ってのは、確かに少し無理がある。「メイド=オバチャン」という「正しい固定概念」があってはねえ。幻想をはぎ取って考えれば、メイドなんてそーゆーものでしょ。メイド喫茶がもてはやされるのは、あそこにいるメイドが「異文化に対するカン違いの産物」だからなのだ。その意味で、メイド喫茶に「萌え〜」などとヌカしてる奴だけでなく、「そーゆーものに入れ込むなんて…」と小馬鹿にしてる奴も含め、「日本には今でもニンジャがいるんだろ?」などと真顔で言ってくる外国人と同列だったりする(苦笑)。
 そーゆーわけで、香港には未来永劫メイド喫茶なんてできない…と言っていいのかは疑問かな。私は「工夫次第では」立派に成立すると思う。日本のメイド喫茶にいるメイドは、確かに「ニセモノ」だ。しかし、それはあくまで「メイド本来の用途を考えた」場合の話である。メイド喫茶に必要とされているのは、ホンモノのメイドではない。言ってみれば「和風のメイド」こそが必要とされているのだ。そして、こういうモノは「メイドの本場」香港であっても、需要はあると推測される。
 香港ならば、良いモノはニセモノであっても受け入れられるはずである。良い例がラーメンではないかな。日本のラーメンってのは、本場のそれとは完全に別の食い物である。こんなラーメンを、香港人は「日式拉麺」として楽しんでいる。外国風にアレンジされた和食に抵抗感が強い(わかる気はするけど…)日本とはそこが違う。そんな連中なら、周囲に「ホンモノの」メイドが山ほどいたからって、「和風メイド」ってモノを認めるんじゃないかなあ。
 ただ…「メイド喫茶にいるのは、普通のメイドじゃなく和風メイドだ」ってことを上手くアピールするのは大変だと思う。「ホンモノのメイドとの差別化を打ち出す」なんて、真剣に考えたことある奴いるのか?さらに、現地民の好み・流行なども無視できない。日本と香港のサブカル両方に相当通じている奴がプロデュースしないと駄目なんじゃないかな。少なくとも、「日本でウケたんだから、香港でもウケそうだ」って気持ちだけで開店してもやっていけないような…だからこそ香港にはメイド喫茶がないんでしょ。
 もっとも、香港には「逸材」がゴロゴロしているんじゃないかと思う。「和風メイドをいかにして香港に持ち込むか」という難題に対しても、いずれ答えを出せるんじゃないかな。それに、「輸出する」日本側だって逸材はいるでしょ。それを思えば、いずれ香港にもメイド喫茶は出来るんじゃないかと。日本におけるメイド喫茶は単なる流行ではなく、どうもある程度定着しそうな勢いだからねえ。私は実は認めたくない(純メイドにこそ萌えるから)けど、「和風メイド」はホンモノっぽいので。

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[紫(ヲタクな話題)]

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