昨日の続編ってワケじゃないけど、多少関連性のあるネタで。本当はまとめて1つにする予定だったんだけど、分量の関係で妥協したんですよ。
ネットをうろついていたところ、「楽天がTBSを買うのは、コンテンツ育成をサボってるだけ」「何でオールド・ブランドにしがみつくのか」といった論調の文章を見かけた。わかってて書いているのか、わかってねえのか…本当は多分前者なんだろうけど、あえて後者だと解釈して反論してみましょ。
ブランドって何か。権威である。勝って使う前から「良い品だ、ハズさない」と信用できるってのがブランド。もちろん裏付けはあるんだけど、それと同じくらい「信仰」が必要だったりする。
本来良い品かどうかは、買って使ってみて初めてわかる。けど、これだと「ハズしたぁ~」と思ったときには手遅れだ。昼飯の定食ぐらいだったら笑い話で済むけど、高い買い物でコレをやらかすのは痛い。そこで、世間の評判だの噂話だのを仕入れたりしてアタリをつけたり、ブランドに頼ったりするわけだ。
ブランドってのは、キョーレツな付加価値だ。同じ値段同じ品質って商品じゃ、ノーブランド品はブランド品に太刀打ちできない。だからフツーは「値段が安い」って付加価値を付ける。それが世の中の仕組みだね。
楽天はTBSに、ライブドアはフジTVに「コンテンツが欲しいから」手を出したとされている。これは半分間違いだ。より正確には、「ブランド価値があり、視聴者が見てくれるコンテンツが欲しいから」手を出したのだ。単にコンテンツが欲しいだけなら、直接制作サイドに手を出した方が安いでしょ。
確かに制作プロダクションなんて腐るほどあり、中には冷や飯食ってる連中もいるだろう。そんな連中に声をかければ、それなりのコンテンツを制作できるのは間違いない。中には素晴らしい作品作るポテンシャルがあるのに干されてる所もあるだろうし、育成すれば大化けするところもあるだろう。
ただ、こうしたコンテンツには欠けてるモノがある。権威だ。ブランド価値だ。「TVで放送された」という錦の御旗がない。そんなコンテンツを、ドコの誰が見てくれるって言うのか。少なくとも特殊な需要か、ある種の勇気が必要だ。
コレに関しては、偉そうな顔してる評論家よりもコンシューマーゲーマーの方がわかりやすいかも。「このゲーム面白いよ、絵も綺麗だし。でもX-boxオンリー(笑)」ってのと同じコト。ネットで動画を見ようと思ったら、それなりの初期投資(家庭内インフラ整備だけでなく、知識獲得も含む)が必要だ。それに踏み切るだけの動機付けってのは、ちょっと面白い番組があるってだけじゃ駄目でしょ。コンシューマーで言えば「ドラクエ」「FF」並のキラーコンテンツが必要じゃないかな。
もちろん、地道にコンテンツ制作者を育成して…ってのも大事だ。プレステが覇権を握ったきっかけの1つはこれなんだから。でも、これは正直言って成功率が低い。ビッグネームを引き抜くか、それが無理なら「ウチにも作って」って姿勢を打ち出す方が早いでしょ。TV番組の場合、そのカネがあるんならTV局そのものを買った方が早いってだけの話だ。
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