サイレントウィットネス様強い!土曜に騎手放り出して暴れたなんて、不安材料のうちに入らなかったですね。個人的には「サクラバクシンオーよりは美しくない勝ち方」だとは思うけど、これは猛烈にレベルの高い比較のこと。普通に考えれば華麗でしたよ。さすが世界一のスプリンター。
もちろんこの勝利自体も注目なんだけど、あえて今回採り上げたいのは香港人のこと。なんか山ほど見かけたんですけど。そりゃね、横断幕(パドックにある応援用の幕)の枚数から察するに、日本人で香港馬を応援してた人は少なくない。そうじゃなく、「ドコをどう見ても香港人」てな集団が山のようにいたのだ。これはスゴいと思う。
今回来日したサイレントウィットネス様は、香港じゃ文字通り英雄である。日本のディープインパクトすら、あれには負けるでしょ。それこそ伝説の人気者ハイセイコーとどっちが上かってレベルである。いちいち応援に来てたからって、驚くには値しない…んだけどね。
競馬ってのは世界中で行われていて、中には「人気のある」馬もいる。しかし、「自国の馬を応援しに海外旅行する」なんてバカは日本人ぐらいだと言われていた。何かのついでに競馬場行くとか、大レース目当ての海外旅行ってのは他の国でもやる。けど、自国の馬の遠征について行くってのはやらないってわけだ。
実際のところは単にマスコミの連中(日本馬がいるときしか取材しやがらねえ)をからかっただけなのかもしれないけど、私の実感もこれと同じ。「自国の馬のケツ追いかけて来ました」って連中はドバイでしか見たこと無いと思う。JCの時に外国人客が多いって気はしなかったし、香港でも「明らかに現地民じゃねえ」ってのは日本人ぐらい。今までは日本ローカルな風習だったのだ。
日本でこんなバカが出現したのは、フジヤマケンザン海外遠征が最初じゃないかな。これ以降ってコトは有り得ない。3回目の遠征には私もついていったんだから。その後日本馬の海外遠征がちょっとしたブームとなり、それについて行く日本人も「よく見る存在」になっていったようだ。
海外遠征応援の旅ってのは、病みつきになるほど魅力的である。見知らぬ競馬場で知ってる馬の顔見たときの感動は、本当に筆舌尽くしがたい。アホと言われればこれほどアホな趣味もないもんだとは思うけど、「みんな来ればいいのに」とずっと思い、微力ながら日本での普及に努めていたものだ。そんな私だけに、今回香港人がこの趣味を覚えたと確認できたのはとても嬉しい。
日本と香港ってのはかなり近い。少なくともドバイだの英国だの米国よりはずっと近い。それだけに、競馬ファンの交流ってのはあってしかるべきだと思う。実際、毎年山のような数の競馬ファンが日本から香港に出掛けているわけだし。その点、私は日本人として少し恥ずかしかった。私は香港競馬を知っている。けど、香港人は日本競馬を知っているのかと言われると…交流ってのは「お互いに相手を知る」のが基本。香港における日本競馬事情の普及に無力な自分が、とても歯がゆかったのだ。
そんな私だけに、「ドコをどう見ても香港人」が馬券コピーサービス利用してるのを見たときには、ちょっと感動してしまいました。当たり馬券を手元に残せるなんて、いいアイデアでしょ。これが日本競馬なんですよ!と胸を張りたい気分だった。私の標語「競馬は世界の共通言語」が証明された瞬間だと思う。
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