旧年中の宿題が残っているので、そいつを片付けておこう。本日のネタは、昨年末に発売されたコマンドマガジンの「魁!コマンド士官学校」について。私の立ち位置ってモノがあるので、流石に一言言っておこうかと。
コマンドマガジンは「雑誌付きゲーム」だと思っている方が多く、雑誌記事がどれだけ読まれているのかは未知数。そこで、簡単に内容説明をしておこう。中級程度の実力を持つ読者を対象に、「作戦の立て方」を紹介するものだ。一応「研究のコツ」を紹介するものであり、個別具体的な作戦研究ではない…んだけど、「具体例」として簡単な作戦研究も触れている。つか、「透けて見える裏側」の話をすると、まず最初に作戦研究のネタがあり、そこから一般法則っぽいモノを引き出しているんだと思う。連載なんだから妥当な手法かな。私だったらもっと抽象的な話に終止すると思うけれど、それだとどう頑張っても読み切りか、かなり頑張っても短期集中連載にしかならないので。
作者のDASREICH殿は思いっきり知り合いであり、ツッコミたければ遠慮無く当人にツッコめば良い。そんな事情もあり、いちいち私がブログでどうこう…って必要は無いと思っていた。108号掲載の記事を見るまでは。この号の副題は「デザイナーを倒す」とある。そんでもって、ものすごく乱暴に要約すると、デザイナーズノートを読み、そこに書いてあるデザイナーの意図の裏をかく、すなわちデザイナーの想定しない展開の中に良い作戦が眠っていることがある…と説いている。
正直、言わんとすることはよくわかる。たとえばだ。デザイナーが「機動が重要なゲーム」と発言していたとする。ならば、機動力を最大限活かすようなプレイを…と考えるのも重要だけど、敵の機動力を押さえ込むことも重要だ。その結果、お互い睨め合ったまま全く動かない展開になることもある。実例を出すと、私が研究した「太平洋空母決戦」がモロに該当する。出た当初は「どう使えばよいかわからない」と言われた、空母のエリア移動。研究してみたらやっぱり重要だった。ただ、現時点での最終結論は「敵空母の足止めを行うため、睨み合え」であり、やっぱりエリア移動なんかしない。「しない」だけであって、重要なコトは間違いないんだけどね。
けれどだ。私個人の意見としては、「デザイナーが想定してない展開」を「推奨」するような趣旨の記事は、どうかと思う。何故か?その考え方は「良い作戦」だけではなく、もっとヤバいモノを見つける手段でもあるからだ。それは、「必勝法」である。
作戦研究って必勝法を見つけるためにやるんじゃないの?まあ確かに。けれど、ここで私が言う「必勝法」は、そーゆーモノじゃない。どちらかの陣営がそれを行うと「必ず」勝ち、相手はわかっていても「全く」阻止できない…そーゆー、真の意味での必勝法である。そりゃあね、ゲームによっては「○○側が勝つ。引き分けすら考えにくい。」なんてモノもあるのは確か。けれど、過程は色々あるのでまあ楽しむことは出来る。必勝法はこの過程すら固定する。ゲームという枠内での話なら、通常は「あってはならないモノ」として認識されているはずだ。対人対戦の経験が極端に少ないか、あるいはかな〜りねじくれた精神構造の持ち主でもない限り、この意見には同意してもらえると思う。「必勝法」を何度も喰らってくれるのは、PC・コンシューマーぐらいだ。
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