なんかLunascape6.0が、こまめにバージョンアップしている…つい先日RC2が来たかと思ったら、今度はRC3だって。一気に正式版に行かないのは、何か問題でもあるのか?
本日の話題は、ちょっと前から調べていた「GXロケット」について。事業仕分けとやらで削られそうな国産ロケットだ。これがどんなものかロクに報道されないまま騒いでる輩が結構多いので、私なりに「どんなロケットなのか」「何が狙いなのか」を書いてみようかと。
GXロケットってのは、実は我々が考えるような「ロケット」とは少し異なる。いやまあ、ロケットはロケットなんだけど、2段目部分でしかない。1段目は別のロケットを買ってきて取り付ける。同じ国産ロケットのH−2Aが「ロケット全体でH−2A」だってのと比べると、ちと意味合いが違う。これは重要だ。
主な特徴は、何と言っても燃料。LNG(液化天然ガスだな)を使用するのだ。世界初の試みらしい。この時点で、狙いの1つに「燃料費が安上がり」ってのがあるんだなとわかる。もしLNGが「打ち上げ燃料として効率の良い燃料」だってんなら、米ソが試作ぐらいしたはずだ。なにせ原子力エンジンやフッ素エンジンまで検討してた連中だからして。
しかし…GXロケットは開発がうまくいかなかった。そのおかげで開発費がかさみ、経済性をウリにするはずなのに、カネがかかる」ってな有様に。そのため色々迷走したあげく、実は官僚(経産省と文科省)から「本当に必要かぁ?」ってなツッコミが入っていたのだ。にもかかわらず予算が付いたのは…自民党政権時代の「政治的判断」という奴らしい。つまり、GXロケットは「元々政治的判断とやらでかろうじて生き残っていた計画を、政権交代に伴う政治的判断で潰しただけ」って話は出来る。
そもそも、何故LNG?ってのは、ちょっとわかりにくい。確かに、LNGなりケロシンなり…を使った液体燃料ロケットって、様々な理由から「これからの主力エンジン」になるんじゃないかとされている。それはいいんだけど、なんでまたケロシンではなくLNGを選んだのかは…「技術大国日本」なる思い込みから無茶した可能性も否定は出来ない。ただまあ、「米・ロと同じコトやってたんじゃ、永遠に追いつけない」ってのも大事だとは思うけど。
ついでに言えば、政治的判断とやらが介入するようになった理由は、開発先の民間企業にあるらしい。GXロケットは石川島播磨重工(IHI)の産物で、H−2Aは三菱重工の製品。「あまり三菱重工にデカい顔されても…」とかいう思惑があったんでないかと言われている。これを「競争させるのは良いことだ」と考えるのか、「談合みたいなモノじゃねえか!」と考えるのかは、まあその人次第としておこう。
とまあ否定的なこと中心に述べてきたワケだけど、官僚からも疑問符が付けられたシロモノだけに、ある程度は仕方ない。ここまではキチンと調べればすぐわかる。問題はここからだ。さらに突っ込んで調べてみると、色々面白い。
GXロケットは2段目用のロケットだ。じゃあ1段目は?面白いことに、最初の計画ではロシアから買ってくる予定だったようだ。その昔ソ連が月着陸ロケット用に開発したエンジンが、ソ連崩壊に伴って安く大量に売り出される…って話があったので、コレを買ってくるつもりだったらしい。でも、これは米国の企業に先を越されて実現しなかった。そこで選ばれたのは、やはり米国製…なんだけど、ソ連/ロシアのエンジンを「なりふり構わず」買ってきてライセンス生産した(正確には「する予定」だけど)、RD-180ってモノ。
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