中国が2度目の有人宇宙船打ち上げに成功したとか。今度は2人を5日間宇宙に送り込むんだと。スゴいなあ。というわけで、コレに関する話題など。
有人宇宙飛行ってのは、滅茶苦茶高度な技術である。人間の乗った宇宙船なんて軽いワケがないし、大気圏再突入には高度な誘導技術が必要だ。オマケに失敗は許されないんだから、打ち上げ成功率も高くなくてはイケナイ。宇宙先進国の米・ロが半世紀近く前に達成済みとは言え、やはり褒めるに値する。
確かに、欧州や日本もその気になれば達成可能かもしれない。けど、現にやってないんだから、負け惜しみと言われても仕方ない。信頼度が実績に比例する世界だから、相当な後れを取ってると言ってもいい。どこぞの知事みたいに「あんなの大したことない」って発言するのは、宇宙開発に対して無知だと証言してるようなモノだろう。
中国の有人宇宙船技術ってのは、旧ソ連のものをベースに自国なりの改良を加えたモノだとか。自前で開発した技術にこだわる欧州・日本にしてみれば、「サルマネだ!」と言いたくなる気持ちはわかる。けど、当初言われたほどサルマネでもないって話は出てるし、そもそもサルマネでも立派なことだと思う。結局何だかんだ言って実績が全ての世界、これに追いつくのは大変なことだと思うな。
この点、ついに割り切った解決法を見いだしたのが欧州だ。米国のスペースシャトルはアテにできん、自前の有人宇宙技術開発はカネがかかる…ってんで、ロシアからソユーズロケットを買って打ち上げを目指すつもりらしい。これで勉強してから自前の技術開発を行うつもりだろう。大胆というか身も蓋もないというか…
これに対し、日本は景気いい話が全く聞こえてこない。それも当然。独自技術は当然のことながら有人宇宙飛行レベルじゃない。で、「米国が何とかしてくれるさ」って計画を練り上げたのはいいんだけど、スペースシャトルがズッコけた影響受けまくり。ついに米本国ですら見放されたってのに、結局未練がましくシャトルにしがみつくのみ。日本の科学行政はどーなってるんでしょーか。
現在、日本の有人飛行計画ってどーなってるのか?シャトル使って国際宇宙ステーションISSに人送り込み、必要な技術を米国から教えてもらう。これだけ。これはこれで悪い計画ではない。ただ、シャトルはちっとも稼働効率が上がらない。はっきり言って引退を待つだけ。そして、シャトルを前提としたISS計画から、米国は足を洗いたがっている。なのにこんな計画じゃあ…
はっきり言って、ISSは米国にとって失敗である。理由は単純、スペースシャトルが大失敗だったからだ。これが国際協調事業じゃなけりゃ、とっくの昔に投げ出していただろう。事実、この前ブッシュが打ち出した計画はISSを事実上無視してる。そんな計画に米国べったりの日本が付き合う意義も薄れてきてる。技術蓄積のある米国と違って「計画が潰れたら困る」立場なのにねえ。
じゃあISSそのものが失敗なのか?これはまだわからない。欧州とロシアは頑張っているからだ。欧州はヤケクソ気味に「米国に依存しない」計画を打ち出している。実験棟は自前のアリアンロケットで、人員はソユーズロケット買って何とかしようとしてる。ロシアはロシアで「金儲けのチャンス」とばかり人間をボコスカ打ち上げている。
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